今回は、購入した不動産物件が値下がりした場合のことについて考えて行きます。
しかし、そもそも不動産の価格とは何で決まるのでしょうか。まずは、不動産価格の決まり方と、値下がりの仕方について考えてみたいと思います。
目次
不動産投資の新築物件が値下がる仕組み
まず、新築の分譲住宅やマンションであれば、土地価格+建築価格+業者の利益で価格が決まります。
新築の投資用マンションなどもこれとほぼ同じ形ですが、一般の分譲マンションと違うのは、建築価格を低めに抑えて、利回りを取りやすくしている点です。
しかし、業者の利益を販売価格に上乗せする形は変わらないので、中古に比べると利回りは低くなる傾向にあります。
一般的には業者の利益として2割~3割程度が上乗せされていると考えられます。
新築の投資用マンションなどは利回りも低く、購入後1ヶ月で売りに出したとしてもかなりの値下がりを覚悟しておく必要があります。
人気の駅から徒歩1分以内などの非常に付加価値の高い物件は価格を維持できる、または売却益を得られる可能性もあります。
しかし、そういった超優良物件以外では、値下がりは避けにくいので、投資用として買う場合は、はじめから中古の物件を購入したほうが、値下がりのリスクはかなり低くなります。
不動産投資の中古物件の価格の決まり方
さて、新築物件の価格の決まり方はわかりましたが、中古物件の価格は何で決まるのでしょうか。
単純に考えると、「土地価格+建物」の価格のように思いますが、投資用物件では、利回りを元に価格を考えるということになります。
特に東京のような中古投資用マンションの流通量が多い地域では、基準となる利回りの目安があり、これをキャップレートと呼びます。
このキャップレートは東京の人気の駅周辺ですと、4%~5%程度になります。もちろん、築年数や駅の規模、人気の地域などによって多少変動します。
利用価値の高い物件、つまり、借り手が多く、空室のリスクも低いという物件(地域)は、キャップレート(=利回り)が低くなるような価格で売買されることになります。
この利用価値で価格が決まる方式のことを、「収益還元法」といい、それで決まる価格を「収益還元価格」と呼びます。
収益還元価格=家賃/キャップレート
となります。
たとえば、キャップレートが5%で、手取り家賃収入が年間60万円なら、
収益還元価格=60万円/5%=1200万円
となります。
収益還元法で考える
このように、不動産投資用の物件は、家賃収入と基準となる利回りで価格が決まります。
ということは、家賃収入がない場合、価格はゼロに近づくということでもあります。
不動産投資で考えるべき価格というのは、利用価値を元に考えた価格であるということです。
利用価値があれば、どこまでも値下がりするわけではないとも言えます。
地方での不動産投資は、借り手がつきにくいことが多いので、どんなに想定利回り(想定した家賃で入居者が借り続けてくれた場合の利回り)を高く見積もっても、絵に描いた餅になってしまうリスクが高くなります。
もし借り手が付かないと、最終的に売るに売れない物件が手元に残り、ローンを自腹で払うようなことにもなりかねません。
地方での不動産投資は、土地勘のある方で、地元の不動産業者と親密な情報交換を行えるという場合以外は、あまりおすすめできません。
一般のサラリーマンが片手間で、老後の年金を準備するというような目的で行う場合は、東京など利用価値の高い物件をベースに考えていくのが安全です。
ただ、不動産投資で大金を稼ぎ、不動産投資だけで独立して生きていくという方には、地方都市などでの高利回り物件をベースにした不動産投資は避けて通れない道ですので、そういった事案を得意としている業者などを味方につけることをおすすめします。
値下がりしにくい物件を選ぶ
投資用不動産の価格が収益還元価格で決まることはわかりました。では、値下がりの少ない物件とは、どのような物件でしょうか。
収益還元価格=家賃/キャップレート(想定利回りの相場)
ですので、不動産の値下がりが少ない物件というのは、家賃が下落しにくいこと、キャップレートが安定していること、というのが条件となります。
家賃の下落が少なくなる条件は、借り手が多いということにつきます。
場所で言えば、人口の増えている東京などの地域であり、人気の駅や路線のエリアであり、駅からの距離が近いなどの利便性の高い物件となります。
また、キャップレートが安定しているというのは、借り手と貸し手の需給バランスが安定しているということですので、人口の減少しない地域で、不動産の賃貸も活発に行われているということになります。
これらの条件を満たすのは、日本ですと東京の中心部、首都圏の人気路線の沿線などになってきます。
値下がりしても、損しない方法はあるのか?
先ほども述べましたが、新築物件は中古物件とは違う値付けが行われますので、たとえ1ヶ月しか経っていない物件でも、売却しようとすると、2割~3割の値下がりを想定しておく必要があります。
ですので、投資用で買う場合は、新築物件を避けるほうが、値下がりのリスクを低く抑えることが出来ます。
また、値下がりを気にする場面というのは、不動産を売却するときです。
不動産を売却するまでに、値下がり分以上の収入を得られる物件でなければ、不動産投資をする意味がありません。
つまり、空室リスクが低く、収益を着実に見込める物件を購入しておく必要があるということです。
また、不動産は、持ち続けることで、利益が積み重なっていく資産ですので、売却しないということも出口戦略としては考えられます。
自分の使った資金よりも十分に大きい金額が、収入としてすでに入っているのであれば、不動産の値下がりを気にする必要がなくなります。
買った不動産投資の物件が値下がりしたら?まとめ
今回は不動産投資の物件そのものが値下がりしてしまった場合について解説してきました。
この記事で紹介した
- 不動産投資の新築物件が値下がる仕組み
- 不動産投資の中古物件の価格の決まり方
- 収益還元法で考える
- 値下がりしにくい物件を選ぶ
- 値下がりしても、損しない方法はあるのか?
について覚えておいてもらえればと思います。
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