今回は投資用に購入したマンションが、地盤補強の杭打ちをしっかりとしていない物件だった場合にどうなるのかを検討してみたいと思います。

読者の方からも、自分の物件は大丈夫なのかといった相談もあります。マンション投資は、長期間の投資ですし、大変大きな金額の投資ですので、こういった物件を購入してしまった場合の影響は図り知れません。

それでは、具体的にどのような問題が発生するのかについて考えていきたいと思います。

なぜ杭打ちの耐震偽装物件が出来てしまったのか

まずは、杭打ち調査の手抜き問題が発生しまったのかについてまとめてみたいと思います。そのためには、現在のマンション建設業界の構造を知る必要があります。

マンションを販売する大手企業は、マンションの建設を取り仕切る大本になります。その大本の下で数十社に及ぶ下請け、孫請けの建築関連会社が仕事を請け負っています。

基本的には一戸建ての住宅を建築する場合と同じですが、○○ハウスなどのハウスメーカーも、地盤調査、基礎工事、内装工事などを下請けの業者に発注し、その管理と全体のマネージメント、そして出来上がった住宅の保証を行っています。

一戸建ての場合は、下請けの業者の数は、たかだか数社程度ですが、マンションの場合は、その数が数十社にもなります。これらの業者の管理を行っていくのは、かなりの労力がかかるため、元受け業者は、作業の詳細については丸投げ状態となってしまうこともあるようです。

また、下請け業者からの報告をチェックする機能なども持っているはずなのですが、形だけのチェック体制になっており、事実上機能していないということも多くあるようです。

さらに、マンションというのは、建築前に売ってしまう、いわゆる青田売りということを行っているため、予定していた完成時期を遅らせることが事実上難しいという特徴があります。

杭打ち工事が遅れて、マンションの完工時期が延びてしまうことは許されないという雰囲気があったとすれば、現場の人間には、相当なプレッシャーがかかっていたと思われます。

今のところ、誰かの責任にしようという風潮にありますが、販売から竣工、引き渡しまで含めた、マンション業界の構造的な問題なのではないかと思われます。

耐震基準法について

このサイトでも何度か解説していますが、マンションの耐震性の判断基準として、新耐震基準に対応した物件かどうかというのがあります。

新耐震基準というのは震度5強の地震でも倒壊、崩壊しないことを定めた最低限の基準です。

kenchiku
http://www.mlit.go.jp/common/000188539.pdf

姉歯事件との比較

2005年に起きた、マンションの耐震強度計算の偽装事件、いわゆる姉歯事件では、社会的にマンションの耐震性に関する関心が高まりました。

今回の杭打ちの不正問題も、姉歯事件も、建築基準法に準拠して、検査を行い建築された物件でしたが、問題が発生してしまいました。

これは、建築基準法の建築基準というのは、申請された値が正しいということを前提としているため、そもそもそのデータに不正がある場合は、機能しにくいためです。

昨今の杭打ち問題や姉歯事件の場合は、この申請したデータそのものが偽造されていたということなので、建築基準法があったところで役に立たなかったということです。

そういった意味で、これらの事件に巻き込まれてしまった方は、非常に不運だったとも言えますが、信頼を販売している建築業界には、こういった不祥事がおこないような構造的改革を推し進めていただきたいと思います。

杭打ちの手抜きがマンション投資に与える影響

さて、これらの事件によるマンション投資への影響でいうと、当然ですが入居者が入らなくなり、家賃収入が途絶えることです。

たとえ、実際には倒壊の危険性が少ないとしても、地盤が沈下する可能性がほとんどないとしても、「信頼の問題」であるため、あえて信頼できない物件に住もうとは思わないという人も多く出てきます。

ちなみに、東日本大震災によって、姉歯物件は一つも倒壊などの被害は出ていないとのことです。

とはいえ、不安を抱えたままいわくつき物件に住むというのは、住んでいる方にとっては、あまり気持ちの良いものではありませんので、家賃を低くするなどの対応が必要になってくる可能性があります。

また、実際に建物が傾き、建て替えとなると、3年ほどは建築期間がかかってしまうため、その間の家賃は得ることができません。

ただし、建築デベロッパーが家賃の保証をしてくれる可能性もありますし、無償で新築のマンションになるということもあります。これも、デベロッパー次第ということになるので、安心はできませんが、大きな企業が販売した物件であれば、ある程度の保証は期待できそうではあります。

まとめ

今回は、もし買ったマンションが杭打ち問題のある物件だったら、ということで、

【なぜ杭打ちの耐震偽装物件が出来てしまったのか】
【耐震基準法について】
【姉歯事件との比較】
【杭打ちの手抜きがマンション投資に与える影響】

について解説しました。

このような物件を見抜くことができればよいのですが、実際には非常に難しい問題です。社会的にこのような事件が二度と起きないように、チェック機能を持つ必要があると思われます。

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