今回も、読者のかたからの質問にお答えしていきたいと思います。

投資用マンション投資、特にワンルームマンション投資などのセールストークでは、投資を行うことで、節税効果や生命保険代わりになるなどのメリットを多く説明されます。
一方で、ローンはリスクであるため、繰上げ返済をしましょうということもよく言われます。

どちらが正しいのでしょうか。

というような質問の内容です。

今回は、繰上げ返済をすることによって、節税や生命保険効果にたいして、どのような影響が出るのかについて考えてみたいと思います。

なぜ繰り上げ返済すると節税効果が減るのか

なぜ繰り上げ返済すると節税効果が減るのか
不動産投資における節税や生命保険の効果は、実は繰り上げ返済を行うと少なくなってしまう、という性質があります。

まず、不動産投資が節税になる理由について考えて見ます。
節税になるというのは、収入に対する税金が減少することですので、赤字を作るということと同じです。ここでの節税というのは、不動産投資で赤字を作り出して、給与所得などで源泉徴収されていた税金を還付できるという意味です。
不動産投資からの収入は、株式投資などの分離課税と違い、総合課税なので、給与所得などと所得を合算できるのです。そのため、給与所得から不動産投資の赤字分を減額することが出来るのです。つまり、総収入が不動産投資を行うことによって、減ったように見えるのです。

しかし、そもそも節税を目的に不動産投資をするのは、あまり賢い方法ではありません。30万円払って、10万円もらうようなもので、リスクを犯してまで行うほどのメリットにはならないと思われます。

ただし、相続税対策の場合においては高い効果を発揮しますので、相続対策ということを目的にするなら、相続税の節税方法について知る必要があります。詳しくは【60代から不動産投資を行う場合のシミュレーション】でも書いていますので、参考にしてみて下さい。

節税効果の大きい不動産投資もある

節税効果の大きい不動産投資もある
また、減価償却費の大きい、築古のアパート投資ならば、実際のキャッシュフローはプラスなのに、見かけ上の赤字を作ることもできますので、節税の効果は高いかもしれません。しかし、築古のアパート投資は節税のメリットもありますが、投資として成り立たせるための力量が必要になるため、初心者や、にわか投資家にはリスクのほうが大きくなってしまいます。

節税効果が減るということは、利益が増えるということでもありますので、何も問題はありません。必要な経費の計上は必要ですが、自分の財布からお金を出してまで、節税をするというのは、本末転倒です。

繰り上げ返済が不動産投資の生命保険効果に与える影響

次に、生命保険に対する効果についてです。まず、なぜ不動産投資に生命保険の効果があるのかということについて解説します。

これは、不動産投資そのものに生命保険がついているのではなく、不動産投資ローンに生命保険がついているためです。団体信用生命保険といい、住宅ローンや不動産投資ローンを組む場合は、借主が死亡した場合に、保険から返済が行われ、残債がゼロになるという保険です。

この保険があるために、銀行は安心してローンを貸すことが出来るようになります。借主が死亡した場合に、数千万円の保険金が支払われるのです。これが不動産投資を行うことに、生命保険の効果があるという理由です。

この生命保険の金額は、繰上げ返済を行うと減少してしまいます。団体信用生命保険は、残債に対して支払われるものですので、繰上げ返済により残債の額が減れば、保険金額も自動的に減少します。

ここだけを見てしまうと、繰上げ返済しないほうが、保険金の金額も大きく、うまい話なのではと思えるかも知れません。しかし、団体信用生命保険の保険料は、金利に含まれており、実際は自分が払っているのと同じです。

繰上げ返済を行うことで、借入金額が減れば、保険料の支払い分(金利部分)も減少し利益が増えます。増えた利益を使って、さらに繰り上げ返済を行っていくことで、どんどんと借入が減少し、借金のリスクが大きく減っていきます。

これが、繰上げ返済で得られる最も大きなメリットです。

不動産投資の本来の目的

不動産投資の本来の目的
不動産投資というのは、安定した不労所得を得るための手段です。毎月の金利支払い(銀行の利益)を余計に払うよりも、自分の利益を増やすべきだということです。
保険がおりて物件が残された家族のものにはなりますが、あくまでも保険の効果というのはおまけと思っておくべきです。

ローンの支払いが終わってしまえば、数十年にわたって利益を得続けることが出来るようになります。それが、本当の意味での保険ではないでしょうか。

生命保険目的に不動産投資を行うよりは、一般の生命保険に入ったほうがリスクは少ないと思います。

節税といっても、年間でせいぜい数万円程の場合が多く、普通にうまく不動産投資を行っていれば、赤字にはなりません。あえて赤字にするというメリットはそれほど大きくありません。

結論としては、ローンを組んで不動産投資を行う場合は、繰上げ返済をどんどんと行っていくのがよい、ということになります。

まとめ

今回は、投資マンションの繰上げ返済とその効果について、解説してきました。
内容は、
・なぜ繰り上げ返済すると節税効果が減るのか
・節税効果の大きい不動産投資
・繰り上げ返済が不動産投資の生命保険効果に与える影響
・不動産投資の本来の目的
でした。

不動産投資の目的は、あくまでも利益を得ることです。新築不動産業者の安易な言葉にだまされないよう注意しつつ、しっかりとした収益を上げられる物件を手に入れてください。
本サイトでも、投資用物件の紹介を行っておりますので、ご参考ください。

投資用物件を高く売るために 

  1. リガイド 

    リガイドは、投資用物件の査定に強い一括査定サービスです。

    賃貸人が入居中の場合でも、空室の場合でも、すぐに結果を知ることができます。

    高値で買取りしてくれる業者もいますが、気に入らなければ査定のみの利用でも問題ありません

    査定は簡単な項目を入力するだけなので、1分程度で完了します。

    リガイドの公式サイト

投資用物件紹介サービス(無料相談も)

不動産投資ガイドWEBでは、不動産投資のプロと提携して、優良な未公開物件の紹介サービス(無料)を行っています。

良い物件が見つからない、初めての不動産投資で、どんな物件が良いのか分からないといった場合などにご利用ください。

東京の中古ワンルームマンションから地方都市の一棟物件まで、ご希望に沿った案件を提案しています。

>>詳しくはこちらをクリック