今回は、20代から不動産投資を行う場合のシミュレーションを行っていきます。

特に、前回の記事【不動産投資の借り入れについて】で解説した借り入れのポイントを踏まえつつ、20代の方が不動産投資を始めて、定年までに効率よく資産を増やすためのシミュレーションを行っていきます。

20代のシミュレーションの条件

20代不動産投資シミュレーション1

まず、シミュレーションの条件を、
職業:サラリーマン
年齢:28歳
年収:500万円
自己資金:200万円
物件:築10年、1000万円/戸、実質利回り5.5%
返済期間:30年
繰り上げ返済に使える資金:50万円/年
(計算を簡単にするため、諸費用は無視します)
と設定します。

20代の場合、年齢が若いぶん、定年までには30年以上の時間があり、ローンの期間を長く設定することが出来ますので、なるべく長く設定することにします。

200万円の自己資金の使い方は基本的に2パターン考えられます。

【1】1000万円の物件を1件買い、200万円を頭金にする。

メリット
⇒キャッシュフローが多く、債務比率が低いので金利の上昇に対して強い

デメリット:
⇒1件しかないので、空室になると収入がゼロになる。
⇒投資効率が低い。
⇒最終的な収入が少ない。

【2】1000万円の物件を2件買い、100万円ずつで、合計200万円を頭金にする。

メリット
⇒1件が空室になっても、もう一件の収入があるため空室リスクが低い。
⇒同じ資金で2倍の資産を運用するため投資効率が高い。
⇒最終的な家賃収入が2倍になる。
デメリット
⇒債務比率が高いので、金利の上昇に弱い。

不動産投資は、利益とリスクがトレードオフ(どちらかを良くすると、もう一方が悪くなる)の関係にあるので、そのバランスをいかにとるのかというのが大切になってきます。

【2】の場合、金利の上昇に弱いというデメリットはありますが、繰り上げ返済を行うことで、大部分はカバーすることが出来ますので、今回は、2件から始めて、最終的に定年までにどれくらいの資産を築くことが出来るのかをシミュレーションしてみたいと思います。

買ってそのままの場合

20代不動産投資シミュレーション2

このシミュレーションは、200万円を使って2件の物件を買い、そのまま繰り上げ返済を行わなかった時のものです。

表は3つありますが、それぞれの指標は、グラフに書いてある通りです。

30年後に返済が完了して、返済に回していた家賃収入がそのまま自分の収入となります(表2)。

ただ、このままですと、投資の初期段階での債務の比率が高い(表3)ので、金利の上昇や家賃の下落のリスクなどには弱いので、繰り上げ返済を利用して、それらのリスクを下げる必要があります。

債務の比率は借り入れの40%以下が理想ですので、19年ほどかかるという事になります(表3)。

図1

図2

図3

次のシミュレーションでは、繰り上げ返済を行うことで、先ほどの返済リスクがどのように減少するかを見て行きたいと思います。

自己資金での繰り上げ返済を10年おこなった場合

20代不動産投資シミュレーション3

繰り上げ返済の条件
最初の10年は自己資金50万円とたまった家賃収入で毎年繰り上げ返済
その後は、たまった家賃収入で毎年繰り上げ返済

繰り上げ返済を行う事によって、債務比率が40%以下になる期間は8年となり、11年も短縮されました(表3)。

返済期間も最終的には16年に短縮され、28才から始めたとすると、44才で毎月9万円程度のキャッシュフローを得ることが出来る状態になります。

図4

図5

図6

しかし、以前の記事「老後は毎月いくら必要?」で説明したように、豊かな老後を過ごすためには、年金の他に15万円ほど必要となります。

次のシミュレーションでは、債務比率をあまり悪化させない状態で、物件数を増やしていき、最終的に、老後資金に必要十分な金額の家賃収入を得るためのシミュレーションをしてみます。

最初の10年のみ繰り上げ返済、10年、13年、16年後に一件ずつ購入

20代不動産投資シミュレーション4

10年目までは、先ほどのシミュレーションと同じ条件ですが、それ以降、10年目、13年目、16年目に1件ずつ物件を購入していき、合計5件まで物件数を増やします。

件数を増やす事により、ローンの残高は増えてしまう(表1)のですが、返済比率的には、40%をやや上回る程度を維持(表3)できるので、安定した不動産投資を行うことが出来ます。

また、最終的なキャッシュフローは20万円以上(表2)となり、老後の資金としては十分な金額を確保することが出来ます。

返済の終了は、26年目ですので、年齢的には54才となります。

図7

図8

図9

最初の10年は、自己資金で50万円ずつの返済を行うという形をとることで、安全にスピーディに資産を構築することが出来るかと思います。

年齢的には余裕がありますので、あと3件ほど物件を増やすことも可能です。

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